Silkeyの忘備録兼保管所

公開に問題ない範囲で、忘備録として

PSO2:NGSはなぜ面白くないと言われるのか ~FF14をやってみて感じたNGSの現状~

はじめに

SEGAからリリースされたゲーム、「PSO2:NGS」。以前より大変注目されていたゲームである。

事実βテストは大変な人気であり、サーバー落ちが起こるほどに満員であった。筆者である私も2回目のβテストに当選した。サーバー落ちや時限クエストのバグ、地面抜けなど様々な問題があったものの、それすらネタに、誘ってくれた友人と一日中やり込み楽しんだのは記憶に新しい。いくつかスクリーンショットも撮るほどに心が躍ったのをよく覚えている。しかし、最近になってこんな言葉が聞かれるようになった。

 

「旧PSO2の方が面白かった」

「NGSは完全な失敗」

「やることがない」

 

これらのような言葉が聞かれるようになった同時期からアクティブユーザーの数も大きく減ってしまっている。サービス開始直後はほとんどのブロックが満員だったのだが、現在は良くて4つが満員になることが関の山。開始直後の隆盛は既に失われてしまった。国内版はまだしもグローバル版は酷い有様で、最悪の場合サ終目前だとも聞く。

正直筆者も現在のNGSに関して「ただ歩き回るだけのキャラシミュレータと化してないか?」という懸念を抱える人間である。しかし、それをただ闇雲に言いふらしたところで、ただのアンチに落ちぶれてしまうことは分かっているし、比較対象のオンラインゲームにもあまり手を出したことがなかった。

アークス諸氏におかれても、NGSが面白くないと言うのは簡単だが、実際に「なぜ面白くないのか?」という事を詳細に考える機会や、それを綴った何かしらの媒体は存在するにしろ数が少なかったように思う。そもそも、プレイヤーの興味自体が失われている可能性すらある。もちろん今の状態でも十分楽しんでるよ!という人たちの冷たい視線ももっともである。

そこで私は一度NGSの前線より身を引き、数あるオンラインゲームの中でNGSとの引き合いによく出される「ファイナルファンタジー14(以下FF14)」を新しくプレイすることにした。今もなお世界中で多大なる人気を誇るオンラインゲームに手を出すことで、今のNGSの何がダメなのかを理解しようとしたのである。

本記事はPSO2が好きだった筆者がFF14を完全初見プレイしてみて個人的に感じた、NGSの課題や問題点を書き連ねていくものである。先に申し上げておくが、筆者はこういう記事を書いたことは一度もない。ぶっちゃけこの記事を投稿するために新しくアカウントを作ったものである。また、あくまで筆者自身が感じたことだという事を理解していただきたく、重ねてお願い申し上げる。

このように念押ししたうえで、また如何に変人奇人と呼ばれようとも、明言し、残しておかなければならないNGSへの違和感を感じてしまったが故に、稚拙な文章ではあるが、しばらくの間お付き合いいただければ幸いである。

 

自己紹介

筆者改め私はShip9に所属しており、PNを「Silkey」と名乗っている。実はリアルでも昔から使っているハンドルネームであり、この名前を聞くことで「居たなぁそんな奴」と感じる方々が世界に50人程度は居ると思われる。

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他に3枠、既存キャラクターを再現したサブキャラが居り、過去のコラボで配信された衣装や、既存の衣装を組み合わせたキャラクター達を使っている。Fate/Stay Nightの「アーチャー」や、ネプテューヌシリーズの「パープルハート」、ゼノブレイド2の「ホムラ/ヒカリ(実際にはもっと先の人物だがネタバレ防止のためこの記述)」がその一環である。

 

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PSO2のシステムとして、作る事のできるキャラクター枠は通常3体までだが、課金をすることでキャラクター枠を増やすことができる。

そう。私はキャラクター枠を増やし、継続的ではないもののプレミアムセットも購入するレベルでPSO2にのめり込んでいた人間である。この記事が書かれている現在、世界を取り巻く情勢に未だ解決策が見えぬ中、私も趣味嗜好を削減され、自宅待機を余儀なくされていた。この際によく遊んでいるゲームがPSO2という訳である。

正直に言って私は、昔からNGSを含むオンラインゲームが上手い方ではない。剣を振っても敵に当たらず、魔法を振っても操作ミスなどで大して有効打にならない。唯一自分に馴染んだのがPSO2のライフルであり、オラクル時代からメインウエポンとしている。

少しづつではあるがライフルも練習を重ね、オラクル時代の最後にはフレンドを得て最終追加クエスト「憎悪に歪む原初の闇」のSランククリアまで成し遂げることができた。ここでは名前は差し控えるが、一緒に戦ってくれたフレンドの皆様には多大なる感謝を申し上げる。

自己紹介はこの程度にしておこう。

 

PSO2:NGSの良いところ

ではまず、個人的にNGSの良かった点を挙げていく。以下、「PSO2:NGS」はNGS、旧PSO2はオラクルと記載していく。また、課金に際してACとSGという単語を用いるが、「AC」はアークスキャッシュ=リアルマネー課金、「SG」はスタージェム=ゲーム内配布の無料石、という区分である。

 

  • キャラクタークリエイトとゲーム内風景の強さ

何といってもNGSの強みは、オラクルから続くキャラクタークリエイト(以下キャラクリ)の広さである。ご存じかと思われるがこの機能はNGSに際して強化され、体形に関しても、全体的なシルエットに関わる腕の長さや腰の位置、体のライン、胸の大きさはもちろん、肌のツヤや血色まで変えられる。また、オラクルで存在した衣装・ボイスの性別着用制限、種族仕様制限が完全に撤廃されており、男性でも女装ができたり、女性に男装をさせたりといったこともできるわけである。

オンラインゲームでありながら、ここまでのキャラクター作成機能を持つゲームは珍しい。どこぞのカスタム何とかも真っ青といったレベルである。初期状態でもかなり自由度の高いキャラクリが行えるが、ACやSGを用いて引くことができるスクラッチで出現する衣装やポーズ、髪型を組み合わせることで、ほぼ無限に等しいビルドを行うことができる。

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正式配信前のキャラクリエイターで作成したキャラクター。
使えるパーツに制限があってもこのレベルなので驚きである。

また、オラクルと比較してパソコンの要求スペックが大幅に上がったこともあり、NGSでの風景も大変綺麗なものとなっている。Twitterでは多くの人が、自分のキャラクターに様々なポーズを撮らせてスクリーンショットを撮りアップロードしている。これも一つの楽しみ方と言えるだろう。気になる人は調べてみると良い。

 

  • アクティブに動き回れる操作感

個人的にNGSの良かった点の2つ目として挙げられるのは「操作感」である。広大なフィールドを走り回りながら相手に攻撃するというのは一定の爽快感を生むことができる。簡単にダッシュができるのも、基本ではあるが評価できることである。

私はオンラインゲーム隆盛期に幼少期を過ごした人間であるため、スマートフォン向けMMOの「アヴァベルオンライン」や「イルーナ戦記オンライン」などもプレイしたことがあった。反対に当時のPC向けオンラインゲーム「メイプルストーリー」や「ラグナロクオンライン」は、当時PCを長い時間触っていなかったこともあって、どんなものかは知っているが未プレイである。

どのオンラインゲームにおいても、敵を攻撃する際には「接近」→「敵を倒す」という2つの行動が行われる。個人的見解だが、私はあの移動中や攻撃している最中のモッサリ感や、マウスや画面を連打している時に感じる虚無感が得意ではない。どちらかといえば、あまり良い思い出はないが「ガンダムオンライン」のような勢いのある操作感を求めていた人間であった。

また、世界観だけが異なり、操作性が類似しているというのも当時のゲームの特性であったとも思う。例えば、「アヴァベルオンライン」と「オルクスオンライン」、「ステラセプトオンライン」は類似した操作性だった。また、「イルーナ戦記オンライン」は「ラグナロクオンライン」や「メイプルストーリー」に似た印象を受けていた。

「イルーナ戦記オンライン」だけはそれでもかなり長続きし、暇なときはポチポチするといったことを続けていた。「味栗」という単語は今でも記憶に残っている。隙あらば手数でぶん殴れ。

 

…かなり脱線してしまったが、オラクルやNGSは自分の好きな操作感であり、個人的にとてもプレイしやすい傾向にある。据え置きのゲームでは、近年の技術向上もあって直感で動くことのできるゲームは更なる増加傾向にあるが、基本無料のオンラインゲームでここまでの操作感を持つゲームはそこまで多くはないだろう。

 

FF14をやってみて感じた致命的な差

さてお気づきだとは思うが、NGSの良かった点に「ストーリー」の面が全く入っていない。これこそFF14とNGSの致命的な差であると個人的には考えている。ここからは、NGSとFF14の比較を、自分のプレイ環境を交えながら話していく。

まず自分のFF14の環境がどういったものであるかだが、以前から新しいものになったフリートライアル版を、コントローラー「F310」でプレイしている。先に明言しておくが、評判を見た際に「据え置きゲーム2本分のストーリー!」と書いてあって素直に「そんなこたねえだろう」と思っていたが、プレイした瞬間にオセロが如く評価をひっくり返されることになった。

 

  • キャラクタークリエイトについて

まずゲームを始めるにあたりキャラクターを作るわけだが、Wikiなどで事前情報を仕入れた結果、種族によって能力値が微妙に変わるという情報があった。そこでFF14の経験者に完全新規でおすすめの職業を聞いたところ、まさかの上級者向けとの記載があった「剣術士」か「斧術士」との返答が貰えたため、それらの職業を最も強く活かせる種族「ヒューラン」、部族「ハイランダー」を選択した。

ここで早速NGSとの相違点があるのだが、キャラの外形は種族・部族に沿って決まっている。私の場合はハイランダー族であるため、初期は身長195cmのおっさんであった。髪型や身長などの選択は効くのだが、体形などを変えることはできない。

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全力でキャラクリしてこれである。

この点はNGSのプレイヤーとして大変驚いた。NGSで言えばやりたいクラスを取るか、キャラクリで可愛いキャラクターを作るかを選ばなければならないわけである。キャラクリの自由度についてはNGSの圧勝と言えるだろう。

しかし、今回の導入目的はFF14の一面を知ることにある。そのため今回はキャラクリを捨て、プレイに最大限注力できる形でキャラ作成を行った。それでもかなり若作りには成功したほうである…と思ってはいる。

 

  • 操作感・プレイ形態について

次に操作感についてであるが、個人的には少し複雑な部類に入る。何せNGSで簡単に出来ていたダッシュが、コントローラーのLトリガーを押しながら方向キー下を押すことで起動する「スプリント」と呼ばれるスキルで、しかもダッシュ可能時間が30秒程度しか続かずに、効果が切れたら60秒間次のダッシュができなくなる。この点はストーリーを進めるにつれ改善されていくのだが、当初は安全地帯での移動ですら苦労させられた。

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このようにNGSでは考えられないほどのボタンの量を誇っている。走るのも一苦労。

また戦闘時に出すスキルも、スクショ下に映っているようにLもしくはRトリガーを押しっぱなしで、方向キーかABXYキーを押すことで発動するため、未だに操作が分からなくなることが多々ある。後述するが、自分が選択した剣術士という職にはタンクという役割があり、スキル「アイアンウィル」を起動しないとお話にならない。アイアンウィルはダンジョンに入る度に入れなおさなければならないため、よく起動を忘れる自分にとっては致命的である。

加えて、NGSのようにロックオンなしで攻撃という事が基本的にできず、対象選択→スキル発動or通常攻撃という流れになるため、敵を選択していると思ったら味方を選択していたということも日常茶飯事である。

そんな操作の難しさはあるが、このような操作感なだけあって様々なスキルを出していけるのは面白いと感じた。自分の記憶の中で一番近い操作感だったのは例の「イルーナ戦記オンライン」であったため、現状はイルーナでのおぼろげな記憶と攻略Wikiを生かし、詠唱にはスタンを、相手の位置取りと味方の向き、攻撃範囲など…と考えながら戦闘を行っている。

 

一部前述したが、FF14では職業によってはっきりとした役割があるため、プレイの自由度は少ない。私の選択した職業である剣術士はタンクと呼ばれる、敵からの攻撃対象を自分にすることで味方を守る役割を持つ。そのため、現状の意識では攻撃力よりも如何に相手からのヘイトを自分に向けられるかということが重要になってくると考えている。

ソロプレイではそこまで考える必要はないが、問題になってくるのはマルチプレイ、通称「ダンジョン」や「蛮神戦」と呼ばれるコンテンツの場合である。NGSにはルームにクラスの制限はなく様々なレベルがマッチングする。しかしFF14の場合、ダンジョンにはタンク(ヘイト盾)1、アタック(攻撃役)2、ヒーラー(回復役)1というパーティー構成の制限があるため、タンクの役割は自分しか持つことができない。

そのため、前述したアイアンウィル(効果:攻撃のたびに味方からヘイトを貰って自分に向けるスキル)の起動忘れなどがあると即座にパーティーの他メンバーに攻撃が飛んで行ってしまう。今の初心者難易度だとまだ何とかなるが、一部上位コンテンツになると少しのミスが文字通り命取りになってしまうため、プレイスタイルは少々シビアに感じる。

 

  • 課金形態について

FF14の課金形態についてだが、ここも少々しんどいと感じるところがある。現在プレイしているフリートライアル版では、「新生エオルゼア」と「蒼天のイシュガルド」と呼ばれるコンテンツを無料でプレイできる。所持金やプレイヤー間での取引等に制限が掛かってはいるが、それでもこのレベルを無料で、しかも無期限でプレイできるようになったのはとてもありがたい話である。

しかし「紅蓮のリベレーター」以降の章をプレイしたいとなったとき、課金形態が牙を剥いてくる。FF14の課金形態は日数式であり、90日で4000円ほどとなっている。課金額などに文句は無いのだが、簡単に言ってしまえば、90日の間にできるだけ進めなければならないという思考にどうしても陥ってしまうのである。

FFの魅力はまずと言っていいほどストーリーにあると思うが、紅蓮のリベレーター以降の章も「漆黒のヴィランズ」という章がもちろん存在するため、出来るだけストーリーを噛みしめて進めたい人種にとっては手が出しづらいものとなってしまっているのが実情だと考える。進行をゆっくりにすればお金が掛かるが、お金を掛けない場合はストーリーがよく分からんということになりかねない。

しかしそれでも、90日4000円という課金額に十分了解が得られるほどのストーリーや、自分が何をするべきかを考える戦略性などがFF14にはある。願わくばPSO2のように、基本無料でプレミアムセットでマーケットボード解禁、とかにしてくれると物凄くありがたかったのだが、高望みはするまいと思った次第である。

 

  • ストーリー、登場NPCについて

最後に、FF14とNGSの一番の差であると考えるストーリー、登場NPCについての掘り下げについて述べておく。正直な感想で言えば、流石FFなだけあってキャラの掘り下げや会話の量が多く面白い、続きが見たいと感じた。FF14の圧勝である。

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重要NPCとの会話と「アシエン」というキーワード。
ここからどう展開するか楽しみである。

そもそも、冒険者の拠点になる街が3か所あり、その中に街の人たちが過ごしている。その拠点の3か所も職業によってスタートの拠点が変わり、拠点の景観や街の人たちの特徴なども変わってくると来ている。サービス開始直後の新生エオルゼアの時点でどこまで実装されていたかは存じないが、NGSと比較してもかなり壮大なスケールである。初期状態の時点で、(ロードを挟むとはいえ)エアリオリージョンが3つ連結されていたと言えば分かってもらえるだろうか。また、サブクエの難易度が3つの拠点分あり、それぞれが初心者、中級者のレベル1-30向けの難易度を持っていたと考えると相当なボリュームであることは確かである。

 

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自分が拠点としているウルダハの街の1区画だけでこのNPCの量。

これはNGSでは見られなかった点である。NGSではセントラルシティという町があるが、過疎集落もかくやといった人口の少なさが目立つ。自分の記憶する限りだと人口が減少したという設定はないはずなので、他のリージョンに大きな街があるのか、それとも実装される予定がないだけなのかは謎である。

これに伴い、FF14では登場するNPCの掘り下げも素晴らしいと考える。NGSでは現状、掘り下げが行われそうな主要キャラクターがアイナ、マノン、クロフォードの3名しか存在せず、それ以外のオペレーター4人娘やガロアの詳細などが全くと言っていいほど見えてこない。それにも関わらず、サブクエストで少々掘り下げが行われたのはアイナのみである。

しかしFF14では所属する拠点によって、それぞれ3拠点の長(ウルダハの場合はナナモとラウバーン)を初めとして様々なキャラクターに話しかけることができ、話しかけることが出来ないNPCにもふきだし程度ではあるが台詞が用意されている。主人公がストーリー上話しかける相手には2文以上の台詞がほぼ必ず用意されている印象があった。

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実際、剣術ギルドのマスターであるミラとは、
剣術士のすべてのイベント終了後も会話することができる。

また、NGSのような時限クエストがないことの代替として、いわゆるおつかいなどのサブクエストも多分に用意されており、ゲーム内通貨や経験値などを収集する手段も数多くある。このようなNPCが街の外にも多分に存在しており、街の外にある集落などに赴くことで、サブクエストを受注したりする。実際自分は初期の攻略で困ったらサブクエという、ある意味RPGの鉄則を思い出しながら進めている。

初見の、且つまだパッチ2.0の状態でこれである。ちなみにFF14はメジャーパッチだけで5.0まで当たっている。これから追加分を進めていくにつれ、掘り下げが行われるキャラクターは確実に増えていく。やっていることは1工程余分に多いかもしれないが、忙しいが故の楽しみというものも存在する事は確かである。

 

NGSはこれからどうすれば盛り上がるか

  • ストーリーの早急な補強

ここからがガチの話になる。NGSのサービスが始まって早3か月ほど経過するが、さすがにストーリーの面では薄いと言わざるを得ない。あまりにも初動の実装ペースが遅すぎる。正直内容が薄すぎて客を捕まえるどころか既存プレイヤーすら逃しているのではないかというのが本音である。まずこれによって何が起こっているかというと、ゲーム内での対NPC会話が少ないという事である。RPGと銘打っているゲームで、NPCとの会話が少ないのは極めて問題であると考える。

後述もするが、プレイヤーはストーリーを終えてしまい絶望エネミーや緊急、まるぐるなどに行ってしまい、NPCとの会話をしなくなっているのが現状かと考える。それすなわち、世界観の掘り下げができないという事に直結しているのではないだろうか。

アークス諸氏におかれては、正直絶望エネミーは居るから討伐しているだけで、ぶっちゃけクロフォードって何者?とかマノンちゃんどこ行ったん?とかの方が早く知りたいのではないだろうか?私は少なくともそのように思っている。

FF14の初動を確認したところ、新生エオルゼア(パッチ2.0)が2013年8月27日に配信されており、そのあとの更新が覚醒せし者たち(パッチ2.1)の2013年12月17日、混沌の渦動(パッチ2.2)の2014年3月27日と来ているので、初動でも約4カ月置きに次のストーリーの更新が来ていることになる。対してNGSでは未だ衣装の更新のみでストーリーに関しては音沙汰がない。正直このペースの更新では暇を持て余してしまうプレイヤーが続出するのは納得である。今後ストーリーベースでシナリオを進めていくのなら、NGSの開発には、せめて4カ月置き程度には次章のストーリーを掲出し実装することが求められるだろう。

 

  • レベルキャップ開放とサブクエスト追加、プリセット付きのドロップ緩和

レベルキャップとサブクエストに関しても述べなければならない。詳細には述べなかったが、FF14では新生パッチ2.0の時点でレベルキャップは恐らく50で、基本的には1職を極め、その次に違う職をやろうという形になる(なお現行ではレベルキャップは80)。対してNGSではレベルキャップが20×7職。FF14と違い、多彩なクラスを扱うことに重きを置いたNGSの方が一見FF14よりもやることがあるように見える。

ここで響いてくるのがサブクエストの不在である。NGSには現状、レベル上げのために回収できるサブクエストによる経験値が殆ど存在しない。そのため、ある程度レベルを上げたら同じ場所で敵を倒し続ける、所謂「まるぐる」と呼ばれる作業が必要になってくる。ストーリーも無いに等しい現状、ただ周回し続ける作業は苦行に等しいものがある。

また、レベルキャップ20×7職というのも既にメインキャラでは最大になってしまった諸氏も多いのではないだろうか。「経験値が最大になったしもういいやこのゲーム」と考えてしまうのも人の性である。詳しくは述べないが、この状態で高レアリティの武器・ユニットにプリセット「フィクサLV5」など狙い続けようものなら、それはもはや涅槃に至る仏の修行も斯くや、SAN値直送といった次第になること請け合いである。

従ってこれからのNGSには、レベルキャップの即日の開放と、さらに多くのサブクエストが求められるだろう。すると、クエストを発注するNPCの人となりも、その台詞や行動などから自然と掘り下げることができ、世界観を伝えるのにもあまり困らなくなるのではないかと考えている。またレベルキャップも開放することで、まあここまでなら上げておくか、ついでに武器防具も狙おうという周回にもプレイヤーを誘導しやすくなると思う。

 

  • 緊急クエストの時間開示と絶望エネミー(雷雨)について

個人的に一番の大問題なのが緊急クエストと雷雨の時間ランダム化である。最初は別にいいんじゃね?とか思っていたのだが、これがまあ不便極まりない仕様となってしまった。正直現状のストーリーを終えたNGSで一番の目玉であるのは絶望エネミーと緊急なのだが、これを待つためにただ待ちぼうけでログインしていることが多いのである。

まるぐるでもしたらいいじゃん、と思われるかもしれないがよく考えてほしい。現行の緊急クエストで考えた場合、大体スパンは2時間から4時間である。その間、何も考えずにまるぐるし続けることはできるだろうか?

私は最初は良かったのだが、日が経つにつれ虚無感に苛まれていったのが正直なところだ。変わり映えしない敵と風景、効率化される動作、雷雨が来たら絶望を倒し、緊急が来たら経験値を取りに行く…と、そんな全くと言っていいほど最初からパターン化されたゲームを面白いと思えるだろうか?私が最初にNGSを「ただのキャラシミュレータ」と呼んだのもこのためである。

ラクルのまるぐるが許されていたのは、時間によって何が来るか分かっていたからだ。この時間にこの緊急が来るから待ち合わせる、じゃあその間はフリーで素材集めとか装備制作とかするか、という流れだったからこそ成り立つものだったと私は思う。

雷雨は仕様上仕方ないと割り切るにしろ、NGS運営には、せめて緊急クエストの日ごとの時間スケジュールの開示を切に求めたい。プレイヤーが全員NGSを軸に生きているわけではないという事は、NGS開発諸氏はもう分かっているのではないのか?

 

  • おわりに

本記事は今のPSO2:NGSの惨状について、古きライバルとされたFF14をやってみて、実際に引き合いに出しながら述べるものであった。稚拙な文章であったことは十分に理解している。また、開始したばかりでまだこれからだろう、何を馬鹿なことを言ってんだという意見ももっともなものである。

しかし、開始当初は大変に期待していたという節があり、現状のNGSが他のオンラインゲームに勝てる要素がないと、いちプレイヤーが危惧したという事実を残していくためにこの記事を書き綴ったことはどうかご理解願いたい。いつかNGSが改善されてもう一度面白くなり、この記事が笑い飛ばされる結果になれば、それ以上の喜ばしいことはない。

私はとある大学の師の下でゲーム制作を学んだ。そんな人間だからこそ、制作や管理がどれだけ大変かも分かっている。そもそもPSO2にしても大学の研究室で隣に座った、PSO2が本当に好きな友人が勧めてくれたもので、本来は過去の産物、悪く言えば数ある廃人製造機のうちの一つとして見向きもしないはずだったのだ。

それをここまで楽しんで、さらにアップデートで新しくなると知って期待し、そしてこの現状にまで堕ちてしまったNGSへの落胆を、少しでも理解していただけるものと願うばかりである。これからのNGSの未来は、運営がどれだけ早く実装し、プレイヤーを呼び戻すかにひとえに掛かっていると言えよう。

また諸氏は忘れているかもしれないが、新規オンラインゲームタイトルとしてバンダイナムコから「ブループロトコル」が控えている。私も絵柄から大変期待しているゲームであるが、私は先日開催されたCEDEC2021にて、死にそうな顔になりながらも笑顔で魅力を語る開発者の方とブループロトコルのキャラクリ画面を見ている。NGSがこのままの実装ペースを維持している中で、ブループロトコルがそれより早い実装ペースをもって伸びていくのであれば、NGSはブループロトコルに残りのプレイヤーも取られてさらに衰退していくだろう。

 

終わりにNGS運営に、FF14からラウバーン局長の台詞を贈ろうと思う。

勝敗とは、早さと速さが別つ

 

【参考文献】

https://pso2.jp/ (NGS公式)

https://jp.finalfantasyxiv.com/lodestone/ (FF14 プレイヤーズサイト)

https://ff14wiki.info/ (FF14オンライン Wiki)

http://www.eorzean.info/archives/2724598.html (FF14パッチノート一覧)

https://blue-protocol.com/ (ブループロトコル 公式サイト)